北岳バットレス Dガリー奥壁 2010 9月19日、20日
ガイド登山 参加 中三川 晃利
5月に穂高北尾根を登る計画をたて、インドアクライミングジムのロープワーク講習に参加した。北尾根の計画は中止になったが、壁をよじ登ること、ロープを操る練習は楽しかった。
8月末、ガイドが主催する外岩でのクライミング講習に参加したが、インドアより遥かに面白かった。
北岳バットレス、一度は登ってみたいと思っていた。ガイド登山、出費は多いがこれしかない。
4尾根を希望したが、参加者4人、65歳男性、58歳女性 52歳男性(私)、46歳男性の4人で、ガイド2人。年齢順に 2人は4尾根、若い者2人はDガリー奥壁を登ることになった。
9月19日 8時ちょうどのあづさ5号に乗り、10時韮崎に集合、車で芦安温泉まで20分もかからない。
11時のバスで広河原にはいり、大樺沢をゆっくり登って白根御池小屋に泊まる。小屋はホテルのようで、テントサイトには池があり、のどかな宿泊地だ。
9月20日 2時起床、3時に小屋を出る。クライミングに不要な荷物は二股の草むらにデポ。八本歯のコルに向かう登山道左又コースを詰め、最初の道標があるところでハーネスを付け、登山道をはずれバットレスに向けてがれ場を登る。真っ暗。ひたすらガイドの後を追う。
5時 5尾根支稜の基部に到着、クライミングシューズを履き、ザイルを結んでクライミング開始。8ミリのザイル2本を繋いでガイドが登る。コールに従い、クライアント2人が間を空けて登り始める。
ガイドは2本のザイルを操作してセカンドの確保をするシステムだ。DガリーはⅢ~Ⅳ程度の比較的簡単な岩場だが、凹角、フェース、リッジあり、変化に富んでいる。
7ピッチほどで核心部のDガリー奥壁、ハング帯の下に出る。Ⅴ+のこのピッチは迫力満点だ。ガイドもここで初めてチョークをつけた。ハングにAゼロでも登れるようスリングをかけていく。私、3層になるハングの最後、クラックに突っ込んだ手が抜けて落ちた。ぶら下がったまま暫く休んで、再度兆戦、2度目は難なく抜けたと思うが、必死であまり記憶がない。その上のピッチはクラックで山野井になった気分で登った。
その後、2ピッチでⅣ尾根に抜け、9時30分登はん終了、Ⅳ尾根を登ってきた3人と合流した。
登ったという満足感より、これでおしまいか、というあっけなさのほうが強かった。
10時20分、北岳山頂を踏む。
八本歯のコルから大樺沢を駆け降りて、13時10分広河原。甲府行きのバスは臨時2台を含めて満員、山ガールが多かった。甲府駅は登山客と旅行客でごったがえし、特急あづさも満席だった。デッキに座り込んで日本酒を飲む。どっと疲れを感じた。
必死だったので、どんな処をどう登ったのか、記憶が曖昧だ。でも、また登りに行きたい。
クライミングは、どう登るかではなく、いかに安全に確保するか、がポイント。
ビレーポイントと確保技術がしっかりしていれば、落ちることは怖くない。
次回はガイド登山ではなく、仲間と登りたいと思う。